2011年06月25日

2011年の衝撃!~3.11後の世界経済から資産を守る方法・増やす方法~  菅下清廣

2年前、同著者のこの本↓を読んだ時、正直、少々「うさんくさい」と思った。


2011年まで待ちなさい!
世界経済の裏を知る!元外資系投資銀行社長が書いた!3年後にお金持ちになる資産運用


世界経済の裏を知る元外資系投資銀行社長」という肩書きのわりに、算命学などを持ち出して景気の波を予測していたからだ。ただ、国家にも人間と同様にライフサイクルがあるという主張は頷けたし、他の世界・経済情勢分析も大筋で納得できるものだったので、一定の評価はしてブログに書いた。(→こちら
日本は2011年に「鬼門通過現象」があり、国家を揺るがす大事件や大転換がある”という、時期を明確に言い切った予測も気になっていた。

・・・そして2011年、東日本大震災がやってきた。

鬼門通過は、とんでもない災厄で日本中が一致結束する転換点になる」・・まさに、これのことだったのか!?と思わせる事態だった。

で、5月28日に本書が出版された。相変わらずうさんくさいデザインの表紙だったが、これは読んでみないとイケナイ・・というわけで以下メモ。

・・・

算命学では、動乱期、教育期、経済確立期、庶民台頭期、権力期、の(およそ)50年サイクルで国家の盛衰を見る。日本はいま教育期の5年目で「鬼門通過」の年にあたる。

鬼門通過時には、国家を揺るがす大事件が起こる。50年前は安保闘争、100年前は日露戦争。これを機に、国民が一致団結して大発展する転換点となる。

ただし、「その事件」が鬼門通過現象だったかどうかは、後になって初めて判る。ポイントは、

●国民が心をひとつにして災厄を乗り越えてゆく過程が起こること
●その決起となる象徴的な出来事が起こること(典型的な例は、悲劇的な犠牲者が出る・・など)

2011年5月時点では、東日本大震災が「鬼門通過」だったとは断定できない。算命学では、奇数年に内的要因、偶数年に外的要因の鬼門通過現象が起こるという。2012年にも外的要因でなんらかの大異変がありうる。

特に、韓国・北朝鮮は2012年が教育期5年目・・つまり内的要因の鬼門通過年にあたる。日本は「朝鮮半島有事」という外的要因に巻き込まれる可能性が高い。

もうひとつの有力な外的要因は中東民主化の波。
中東諸国が民主化すれば原油供給が不安定化し、ただでさえ原発を失った日本にはエネルギー危機。インフレ圧力もかかる。
また、中国のウイグル自治区には漢民族と人種も価値観も違うイスラム教徒のウイグル族が住み、隣接する中央アジアのイスラム教国から「ジャスミン革命」の情報が入っている。ロシアにおけるチェチェンのようになる可能性もある。最悪の場合、イスラム過激派vs中国政府の衝突。

中東民主化は米国にとっても危機。世界のマネー(基軸通貨ドル)とエネルギー(石油)の支配が米国スーパーパワーの源泉。(原油価格は産油国ではなくNYの原油先物市場で決まり、米国の価格支配が及んでいる)
米国は、これまでサウジとエジプトの2大地域大国とうまくやることで中東の石油を抑えていたが、エジプトの親米政権が倒れたいま、サウジにまで民主化の波が及んだら実力行使に出て第三次湾岸戦争の可能性さえある。そうなれば一気に原油価格高騰。

ちなみに、日本の原発危機は米国のエネルギー戦略に狂いを生じさせつつある。
米国は9・11以降、少数のテロリストが致命的な攻撃を仕掛ける可能性を理解し、エネルギーを中東の石油に頼る構図を改め、分散を図りだした。
具体的には原発を推進し、エネルギーの消費地で電気を生み出す仕組みへのシフト。この流れに乗って米国で原発再開、世界中で原発建設ラッシュ、東芝とウェスティングハウス/日立とGE/三菱とアレバの提携などが進んだ。米国は国際機関を使ってウラン流通を支配するつもり。
この計画が「フクシマ」で壁に当たっている。米国特殊部隊がいちはやく駆けつけたのにも理由がある。(管理人:ただ、これで米国が簡単に原発推進をあきらめると考えてはなりません。もし日本の首相が本気で脱原発を言い始めれば、すぐ首をすげ替えられるでしょう。/追記:対米追従派筆頭の前原が「脱原発」を言い始めました。どうも米国は、日本を原発ビジネスから追い出し、後をさらう戦略かもしれません。内田樹氏が、日仏原発技術大国のうち日本が脱落すれば米国にとってタナボタ。しかも今後日本が莫大なお金をつぎ込むことになる事故処理や廃炉で稼げる・・と指摘しています。)(さらに追記:シェールガス革命が実現し、米国は膨大な量の天然ガス産出と、輸出まで可能になってきました。原発推進の機運に変化があるかもしれません)

世界にはすでに400基の原発がある。日本は廃炉技術や使用済み核燃料処分技術などを磨き、世界に貢献してはどうか?

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●世界の抱える3大リスク
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1)ユーロ危機
PIIGSをはじめ財政破綻確実な国がいくつもある。あとは「いつになるか」だけ。投資家の心理にトリガーがかかれば予告なく金融危機が起きる。
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2)中東民主化
石油危機、インフレ圧力。
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3)ジャパン・リスク
世界各国のエネルギー戦略にインパクト。
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世界はインフレに向かう。国連統計では2050年まで世界人口は増え続ける。人口が増えるほどには食料や資源は増えない。中東が民主化しても、新興国が発展しても、民衆は豊かで便利な生活を求めるようになる。そのためには資源が必要になる。つまりモノの値段は上がる。

ドルマネーバブルも世界をインフレに導いている。リーマンショック後、米国FRBは大量のドルをばら撒いた。おかげで金融破たんは避けられたが、あふれたドルは世界中でバブルとなり、特に新興国では深刻なインフレが昂進している。
※日本のようにデフレになると脱出が難しいため、FRBは「インフレの方が戦いやすい」と考えリスクをとった。QE2が終了したら、今後はインフレターゲットを導入するなどコントロールに入る。QE3の可能性があるとしたら2012年の大統領選に向け景気テコ入れの必要がある場合。
※ちなみに日銀はデフレ放置、リスクをとらない。これは、FRBが民間銀行を母体に生まれ、リスクをとらねばリターンはないと考えるのに対し、日銀は官僚であり、役人の体質として責任を嫌いリスクを避けるから。世界がインフレに沸く中で日本だけが切り離されてデフレ、円高、株安。

ただし、算命学、コンドラチェフサイクルという「大きな波」で見ると日本の転換点は近い。コンドラチェフサイクルでは40年上昇、20年下降の60年周期の波を見る。
例えば日本の株価は戦後株式市場が再開された1946年からバブル崩壊の1989年まで約40年あがり、その後20年下がり続けた。そろそろ大底をうって長い反転に入る。
為替は、1971年のニクソンショック以来40年間円高に向かっており、おそらく2012年6月に1ドル60〜70円をつけて、そこから5〜10年かけて160円くらいまで戻すのではないか。

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●震災復興からのシナリオ
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1)国債発行、日銀引受の場合
日本はデフレ脱却し、円安、株高の急回復!「そんな事をすれば円の信任が揺らぐ・・」云々の言説があるがまやかし。これほどの「特別な事由」がある場合は、日銀引受を誰も異常なこととは思わない。
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2)時限増税
復興税、連帯税、のような反対しにくい名目での増税。デフレが進行し、震災不況となる。
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3)赤字国債と増税のセット
これも最終的には増税なのでデフレ進行。2)より多少マシなだけで結局不況。
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●今後の日本のトレンド

・短期的には復興財源を何に求めるかで景気が変わる。
・民主党は決定的に国民の期待を裏切ったため、今後のあらゆる選挙で負ける。
・2011年〜2014年にかけて転換が始まり、長い上昇期に入る。

大震災を通じて判明したのは、偉い学者や政治家・官僚が決定的に役に立たないという事実。官僚が支配する中央集権の仕組みは制度疲労を起こしている。今後は、官僚に対する否定が進み、改革の機運が出る。中央集権・役人支配の対極にあるのは地方分権・現場主義。現場を知悉したリーダーが引っ張る。

反対に、震災を通じて日本国民の稀有な素晴らしさは世界に感動を与えた。震災の夜、駅で一夜を明かした人々は誰も文句を言わず、暴動も起こさず、朝になると自分の周辺のゴミを片付けて静かに帰路についた。米軍に助けられた東北の被災者たちは、自分が食べるものもロクにないのに、帰還する兵士にオニギリをさしだした。青い眼の投資家たちは、この国民は絶対に復活する!と確信して日本株を買いに向かっている。

・・・

政界に優れたリーダーが現れ、中央集権の官僚システムを改革し、震災復興とともに日本が復活する日は近い!と結ばれています。
そのためには、我々が現下の日本における問題点を理解し、本気でこれを変える意思のある政治家を応援すべきでしょう。

最終章には、世界のリスクから資産を守る方法、反対に危機をチャンスに変えて資産を増やす方法、復活に向かう日本で投資すべき具体的な銘柄なども紹介されています。

読むべし!





posted by 武道JAPAN at 19:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書記録(政治経済) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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