2010年04月26日

イギリス式月収20万円の暮らし方 井形 慶子

図書館でなんとなく借りてきた本で、著者のことも知らないし強い興味があったわけでもなくてぱーっと読み飛ばしたのだが、「あとがき」に次のようなことが書いてあって、そこで引っかかった。

「学生時代、月5万円で生活していた。就職して月給20万円で収入が4倍になって、こんなに貰ってよいのかと感じた。
その後収入が増えても一ヶ月20万円で充分に生活し、20万円を超える分は貯金ができた。
・・・
月20万円なら年をとっても不測の事態が起こっても何とか稼ぐことができるだろう。その範囲で生活できるという自信があれば追い詰められることはない。」

本書では、著者が若いころから何十回と訪れて見聞きした、お金をかけずに豊かに暮らす英国式の知恵を紹介しています。いわく、

・シンプルな服でも、本物(の宝石など)をひとつ身に付けていれば気品が保てる
・滅多に着ない礼服は、高いお金を出して買わずに借りる
・買い物には必要品と各々の予算を決めたリストを作っていく
・家具は材質の良いものを吟味して長く使う(親から子に譲ったり)
・旬の野菜を中心にした食事が健康にも良くて安上がり

などなど、まあ言われてみればどうという事のない話ばかりなのですが、「月20万円なら稼げる。それで生活できれば大丈夫」というメッセージに今日的な意義がある、今こそ取り上げるべきと感じました。

日本では年間3万人を超す自殺者が出ており、それは失業率の上昇とシンクロしていると聞きます。
失業者をサポートする社会的なセーフティネットがきちんと整備されておらず、仕事を失うと全てに行き詰まってネットカフェ難民になったりホームレスになったり、挙句の果てに自殺・・という状況が、残念ながら現実です。

でも、「月20万円を何とかして稼ぐ」というのは誰にとっても高いハードルではないし、「その範囲で暮らせる方策を立てよう」と考えられれば、自殺する人々を減らせるのではないでしょうか?

ちょうど今日の日経ビジネスon LINE にこんな記事が載っていました。「がばいばあちゃん」で有名な島田洋七さんのインタビュー。

「景気の低迷を悲観しすぎ。日本人の原点に戻ればええやないですか。これまで土日はゴルフ、平日も帰宅は深夜だった。そうでなくて土日は子供とキャッチボール、夜は7時に帰ってきて家族みんなで晩ご飯。昔はそうやった。」

本書に書かれたノウハウや工夫は、誰にとってもそのまま応用できるものではないかも知れませんが、お金がなくても豊かに楽しく生活することは可能だ、というエッセンスを汲み取る事ができれば、価値がある事だと思います。

無論、物価の高い英国(特にロンドンのような都会)において月収20万円で本当に暮らせるのかは疑問ですが、著者のホームページを拝見すると英国コッツウォルズへの見学ツアーなどを企画しています。
コッツウォルズは、ロンドンから1時間ほどの距離にあるにもかかわらず、100年前のオールドイングランドがそのまま残った地方で、英国内からも旅行者が訪れるくらいの場所ですから(日本の飛騨高山とか白川郷みたいと考えれば良いでしょうか?)、著者の提唱する生活には古きよき英国のカントリーライフ、庭のハーブを摘んで風邪の手当てに使うような素朴な生活のイメージがあるのかも知ません。
ちょうど先週、大好きなTV番組「世界ふれあい街歩き」でコッツウォルズを特集しておりました。自分の個人的な友人で英国出身のカメラマンJさんは、「英国と日本は似ている。人々が優しいしPeaceful。アメリカの生活とは違う」と言っていますが、まさにそんな街でした。

なにはともあれ、これから成熟社会を迎える日本において、新しいモノを次々消費するような生活が方向転換を必要としているのは間違いありません。成熟社会の先輩としてヨーロッパの人々の生活を参考にするのは意味のないことではないでしょう。





posted by 武道JAPAN at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書記録(社会歴史) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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