2010年04月18日

「グリーン・ミリテク」が日本を生き返らせる! 兵頭二十八

Twitterで知り合ったじゃが〜さんお薦めの本。著者は軍学者・兵頭二十八氏。

「核武装論の提唱や旧日本軍兵器の性能の再検討など、独自の切り口からの軍事評論で知られる(Wikipedia)」との事で、

・有事には自国を危険にさらしてまで米国が日本を守るはずはないから「核の傘」は機能しない
・ミサイル防衛は役に立たないだけでなく、日本の核武装を妨害しお金と技術を日本から吸い上げる策謀


と主張しているらしい。おお、全くその通りじゃないか!今まで一冊も読んだことがなかったなんて!と最新の著作を買ってみた。

「グリーン・ミリテク」とは地球に優しい軍事技術の事。本書では、米国がすでに軍のグリーン化に舵を切り軍事と環境技術の両面で次世代の覇権を目指している現実や、日本の取るべき施策を論じます。以下メモ。

・・・

●地球温暖化?実は寒冷化?

どちらにしても、起こり得る未来に対して備えるのが為政者の責務であり日本以外の主要国はぬかりなく準備を進めている。
温暖化すれば北極海が航行可能となって「地中海化」し、パナマ運河を使わず輸送できる可能性をアメリカは調査しているし、流氷が押し寄せなくなれば沿岸で天然資源の掘削が可能になるとロシアは色めきたっている。

●米国は軍のグリーン化を進めている

イランが核開発に成功した場合、サウジやUAEは武装に走りイスラエルも黙っていない。混乱が起きればテロリストが核を入手する可能性も高まる。
その状況で中東に核使用を伴った戦火が広がれば原油価格の暴騰は必至。戦争に至らなくても、これまでのように安価な石油を自由に使用できなくなる。

石油が途絶えれば戦闘機は飛ばず、軍艦も戦車も動かず、米国が世界に行使できる影響力は封殺される。そこで米国は、国内産出の石油を極力温存しつつ、環境に名目を借りた脱石油戦略を進め未来の優位性を確保しようとしている。既に陸軍は全車両をディーゼル化し、空軍はボーイングや戦闘機をバイオ燃料で飛ばし、海軍は廃船まで燃料棒の交換が不要な船舶用原子炉を設計している。

●米軍需産業が未来の輸送技術を独占する

米国人はガソリン車を選好するため、国内にディーゼル車が少ない(ヨーロッパでは逆にディーゼルが主流)。ディーゼルエンジンは軽油の他にヒマワリや菜種の油、ヤシから取れるパーム油など多様な燃料を燃やすことができるが、ガソリンエンジンにはエタノールくらいしか適合せず、米国で自給可能なエタノール原料はトウモロコシしかなかった。そのため、ブッシュ時代にトウモロコシ由来のバイオエタノール増産に舵を切ったもののの、食料価格高騰という副作用が出て中止した。

現在は、軍を筆頭にディーゼル車の普及やバイオ燃料の利用、原子力化を急いでおり近未来には一般の輸送機器にも普及させる戦略。このまま行けば未来の輸送技術は米国軍需産業が掌握し、日本の(自動車)メーカー存亡の危機。

●日本も核武装どころではない

そもそも中東から最も遠いのに、いつまでも石油が安全に手に入ると前提する方がおかしい。
燃料の脱石油化のみならず、戦闘機を陸上基地からコントロールする兵器無人化技術を構築すればパイロット訓練が不要となり膨大な燃料が節約できる。また、イージス艦の電子頭脳を山中の基地に移設できれば、電子機器維持のため「浮かぶ発電所」と化している船舶の構造を格段にシンプルなものにできる。

中東情勢が悪化し、石油リッター1万円時代が来れば経済的にも大打撃。国内の産業は荒廃し、備蓄された食料があっても輸送できずに餓死者が出て、冬の寒冷地では凍死者が出る。

●中国は発展すればするほど戦争ができなくなる

かつてのように「下放」政策で農村地帯に人民を分散させた時代と異なり、現在の中国では富裕層やインテリ・冨や重要インフラは攻撃を受けやすい沿海部の都市に集中している。都市には自給自足圏がないため、戦時体制になれば機能が麻痺する。

●米支間に密約アリ

米国にとって最大懸念は核の拡散。中国は北朝鮮やパキスタンやイランの核開発を直接間接に支援し、中東情勢を不安定化させて石油に依存する米国にダメージを与えつつ、テロリストに核が渡る危険を助長して米国を困らせる。

冷戦時代に日本に売ったF15戦闘機は、ソ連崩壊後に東アジアで突出した攻撃力になってしまった。F22を渡さないのは対ソ警戒が不要になった後の日本の軍事力を削ぐため。これは中国にとっても望ましい。

日本に武装を許さず、米中で都合よくコントロールしようという密約がある。(→ 中国の「核」が世界を制す

●間接侵略からの防衛は当該国の有権者だけがなし得る

国民や(その代表である)政治家が国を売れば軍隊が居ても防衛できない。台湾は、台湾人が中国との統一を望むか否かで運命を決められるし、キューバ人は米国が大嫌いだったので独立を保った。

外国人参政権などの売国政策を止められるのは日本の有権者のみである。

・・・

日本では、どうもリアリズムに根ざした議論が不足しているようですが、人の善意を信じたり未来を楽天的に考える事と、事実に基づいてロジカルに考える事とはけっして矛盾しません。

その点で、軍事というのは全てのキレイゴトを剥いだ「リアリティの中のリアリティ」ですから、世界を現実的に見る目線として非常に参考になります。

読むべし読むべし読むべし!





posted by 武道JAPAN at 07:00 | Comment(1) | TrackBack(0) | 読書記録(政治経済) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
どうも、張本人のじゃが〜です。
本当は武闘家さんということで、「新しい武士道」という本はどう思われるかなあと思ったのです。
この本は国民は町人(他人に守ってもらう存在)ではなく武士(自分が守る存在)になるべし、ということを主張しています。
西洋でいう奴隷と市民に対応しています。
都市防衛のために戦うものだけが市民として扱われ、選挙権を得たわけです。

翻って我が日本人はどうでしょうか。米国の属国として守ってもらい、自分の生活がまるで何もせずに保証されると思っていませんか。
これが江戸時代の町人でなくしてなんでしょう。町人は文化や経済の担い手として必要です。しかし、国民全員が、しかも政治家も官僚も自衛隊も含めて町人根性丸出しって国はどうなんでしょうか。
考えてみる価値はあると思います。

ところが管理人様、いきなりグリーンミリテク行っちゃったんですね。www

まさしく国思う異端児、兵藤二十八。

本ブログの読者のみなさんもいかがでしょうか。国家の生き残り策と言うものに、想いを巡らせるのも悪くはありません。
Posted by じゃが〜 at 2010年04月18日 10:28
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