
剛と柔。
まるで正反対の個性を持ちながら互いに強い友情で惹かれ合う二人の女子高生剣士の青春を描いた「武士道**ティーン」シリーズの第3作。
いよいよ3年生になった二人が迎える高校最後の夏、決戦の時・・とベタベタな青春小説をベタベタに面白く描いてついに最終回(かな?)。
物語は、インターハイにおける二人の対戦がクライマックスのラストシーンか?と思いきや。。大会自体は、ひとつの盛り上がりを見せつつも話の中盤辺りで終わってしまい、さてそこから・・高校3年生なのだから、まあ当然と言えば当然ながら、それぞれの進路・将来設計へと話は続いてゆく。
このあたり、単に勝ち負けを中心に据えた燃え尽きストーリーではない。
剣道を通じた青春の数年間を切り取ってみせる事により、それよりも、もっと長い期間 〜明日からもまた続いてゆくふたりの人生の拡がり〜 をイメージさせて心に残ります。そうです、人生は18歳がピークじゃないし、青春が18歳で終わるわけじゃないのですね。
ふたりが交互に一章づつ一人称で語る・・というスタイルは前2作と同じですが、本書では脇役たちのサイドストーリーがいくつか挿入されます。これがまた、単なる添え物ではなく、各々にしっかりと、時に重厚なほどの物語があって、「武士道」シリーズの世界に奥行きをつくってくれます。
香織の剣道の師、桐谷先生の「桐谷」という名前の由来にビックリしますよ。
読むべし!
◆武士道シックスティーン
◆武士道セブンティーン
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