2010年04月16日

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら 岩崎夏海

本書を見た瞬間、誰しも思うのだろう。「ドラッカーと高校野球の女子マネージャーをよくもまあくっつけたよね〜」と。
その発想の奇抜さと面白さだけで、既に半分勝っている。タイトルがそのまま内容を語っているのもウマイ。

で、読んでみると「マネジメント」がしっかりとストーリーに組み込まれて生きている・・あまりにも売れているようなので、ちょっと渋々ながら読んでしまいました。

物語はタイトルから想像できる通り、”イマイチ”な野球部を立て直そうと奮闘するマネージャーが、何を勘違いしたかドラッカーの「マネジメント」に出会い、それをそのまま高校野球に応用して野球部を生まれ変わらせる、というもの。
その間に様々な気づき、挫折、人間模様が描かれ、やがて甲子園出場を目前にして起こる悲劇・・ベタな展開だとは判りつつも、最後は気持ちよく作者の手にのって涙涙です。

でも本当に泣いたのは、主人公の川島みなみが初めて「マネジメント」を読むシーン。

・・・

「マネージャーにできなければならないことは、そのほとんどが教わらなくても学ぶことができる。しかし、学ぶことのできない資質、後天的に獲得することのできない資質、始めから身につけていなければならない資質が、一つだけある。才能ではない。真摯さである。」

みなみは、その部分を繰り返し読んだ。とくに、最後のところを繰り返し読んだ。
--- 才能ではない。真摯さである。

それから、ポツリと一言、こうつぶやいた。「・・・・真摯さって、なんだろう?」

ところが、その瞬間であった。突然、目から涙があふれ出してきた。

・・・

けっして小説として出来が良いわけではないし、ビジネス書としては・・そもそもビジネス書に分類してはイカンでしょう(表紙の絵もスゴイし)。
ただ、肝心な事はドラッカーです。「あとがき」にありますが、作者自身もドラッカーを読んだ時に「涙が出た」そうです。そうなのです。ドラッカー先生の言葉には、心を揺さぶる何かがあるようなのです。特に日本人の。

本家アメリカでは、ドラッカーはすっかり過去の人となり忘れ去られていると聞きますが、日本では、いまだによく読まれ親しまれていますね。
彼の言葉は、我々日本人が心の奥底で信じている何かに触れるのかもしれません。その「何か」は、これからの日本にとってますます大切なものであるような気がしてなりません。

そういった意味で、今までドラッカーを読んでなかった人にも新しい切り口を提供した、という点を評価したいと思います。

泣きます!読むべし。




posted by 武道JAPAN at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書記録(小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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