2010年02月13日

フリー〜〈無料〉からお金を生みだす新戦略 クリス・アンダーソン

著者は「ワイアード」誌編集長。「ネイチャー」や「サイエンス」といった権威のある科学雑誌の編集者でもあった。「ロングテール」という言葉を世に送り出した張本人。以下メモ。

* 日本版「ワイアード」 http://wiredvision.jp/

・・・

●試供品を配って製品を買ってもらったり、食事を無料にしてビールで儲けたりといった従来あるモデルの他に、デジタルとネットの普及で様々なフリー(無料)ビジネスが出現している。
Googleの検索エンジンやGメールは無料で利用できる。Wikipedia、YoutubeやSNS、オープンソースのOSなど、無料で使えるものが我々の生活に深く食い込んでいる。
デジタル化された商品を複製するコストは無視できるほど小さいし、複製しても品質劣化しない。

●かつてビットは高価で希少なものであったがテクノロジーの発達で加速度的に安くなった。安くなったビットを「無駄遣いする」発想がコンピュータのGUIを生み、ゲームを生み、YoutubeやiPODを生んだ。希少なものを管理する従来型の発想を転換し、潤沢なものを無駄遣いしたものが勝利する。
タンポポは無数の種子を飛ばし、わずかな確率でアスファルトの隙間に着地して花を咲かす。これを「タンポポの戦略」という。コストが無視できるほど小さくなれば、これと同様の戦略が可能になる。
例えばメールを10万通送るコストは僅かだが10人引っかかれば大儲けできる。オンラインゲームでは通常のプレイヤーは無料で、特殊なアイテムが欲しい一部の人から料金を回収するが、1000人に一人しか料金を払わないとしても、1000人に配信するコストが無視できるほど安いなら十分にペイする。

●貨幣以外の無償経済も膨らんでいる。
無償で書評を書くブロガーや、フリーソフトを開発するプログラマは、評価や名誉という報酬を受けている。金銭以外の経済が存在する。
Webには評判と注目という価値があり、トラフィックやリンクとして計測できる。これらは、いまや金銭的価値にも換算できる。

●中国やブラジルではコピー商品が盛んに作られ、無料経済の実験場となっている。
中国では、高価なブランド品のコピーは、潜在的な顧客〜今はまだ本物を買えないが、いつか買えるようになりたいと願う人々〜を開発しているし、ブラジルでは、露天で売られる安い音楽CDが膨大なファンを作り出し、ライブへの集客を作り出している。ミュージシャンはCD販売から利益を得なくても、コンサートやTシャツの売上で収益を確保している。
ブランド品やCDが正規の価格でしか販売されなければ、この現象は起こらない。

●競争のある市場では価格は限界費用まで下がるし、テクノロジー(情報処理能力・記憶容量・通信帯域幅)の限界費用は限りなくゼロに近づいている。
無料経済の拡大に抵抗しても無益であり、むしろ積極的に利用して評判や注目を集め、それをお金に換える方法を創造的に見つけ出すべし。
・・・

と、現在進行形で起こっている新しいビジネスの形態を判りやすく解説しています。

著者の言うように「あなたがどの業界にいようとも、〈無料〉との競争が待っている」かは疑問ですが、コンテンツや商品を無料で提供する事から利益を生み出している様々なビジネスモデルが紹介され、新しいアイデアのヒントになります。

起業家精神旺盛な人・自分のビジネスを持っている人・経営的な立場にある人は是非読むべし!




posted by 武道JAPAN at 11:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書記録(政治経済) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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