2009年08月02日

世界金融危機でも本当のお金持ちが損をしなかった理由 沢井智裕

著者の経歴に興味を持って書店で通りすがりに購入。
沢井智裕さんは、スイスのPB(プライベートバンク)「EFGバンク」「ピクテ銀行」のエクスターナルマネージャー。
(本物の)プライベートバンクは、顧客の資産保全を第一の任務とし、堅実な財産形成のサポートをする。著者はこれを「騎士道型金融」と定義し、米英型の「リスクは顧客、儲けは私」のモラルを失った弱肉強食型金融を批判してきた。そして、日本は「武士道型金融」を目指すべきだという。

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●弱肉強食型
・顧客を利益を生む道具として捉える
・リスクは他人に取らせる
・顧客の最大の危機を察したら自らの利益確保に走る
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●騎士道型(欧州)
・富裕層の顧客には徹底して仕える
・顧客の資産を守ることに全力を尽くす
・自らのリスクを取らずに顧客にも取らせない
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●武士道型(日本)
・顧客に対して尊敬と慈悲の心で接する
・自らがリスクを取って顧客を育てる
・困難な時期にこそ顧客を全力で支える
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以下メモ

・2000年頃から世界はリスク資産に向かったが、日本は失われた10年の後遺症でリスクをとる余力が無く、それが幸いして金融危機の波を大きく被らなかった
・トヨタが赤字と言っても日本の大企業の財務は健全
・09年は、金融不安から経済不安への移行期
・現在は、経済恐慌を防ぐため各国が紙幣の乱発や国債の増発をしインフレの恐れが高まっているため、金(ゴールド)の買いを推奨する
・オバマは金持ち潰し、タックスヘイブン潰しをする
・世界景気の底打ちは2010年頃で、回復はその先
・2010年以降、世界は低成長時代に入る
・米国はグリーンニューディールで危機を押さえ込みつつ、新産業の育成を図る(=次の成長戦略が始まっている)→100年に一度の危機は、100年に一度の投資チャンスでもある!
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・・など、PBのマネージャーらしく長期レンジの視点で、現下の経済情勢と今後の趨勢を分析します。

顧客を大事にし、お互い様の気持ちで助け合う・・という「武士道型」は、「信用第一」に考える日本の商業社会で、実はこれまで既に、広く行われてきたように思います。
米国の後にくっついて戦後60年を歩んできた日本ですが、その60年の前に、鎌倉〜江戸〜から数百年も続く「日本の商業」の歴史があり、足元を見直せば世界に誇る「日本的価値観の商業道徳」を我々は既に知っているのではないでしょうか。





posted by 武道JAPAN at 14:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書記録(政治経済) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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