2009年05月16日

日本人が知らない恐るべき真実 〜マネーがわかれば世界がわかる〜 安部芳裕

タイトルと表紙のデザインが安っぽいので損をしているが内容は充実している。経済と社会の仕組みを知り、近づいている国家の破綻と、その回避法を考えるために必読の書。

まず日本国の財政がまもなく破綻する現実をデータに基づいて解説し、こうなった由来や、そもそもお金とは何か?を歴史の始まりから概観する。
そして、現在の貨幣制度の持つ欠陥と補完方法までが提示されている。

著者の安部芳裕さんは、地域通貨の立ち上げを機に「お金」の猛勉強をする事になり、知り得た内容をブログに展開し、国際金融資本に対抗するネットワーク「反ロスチャイルド同盟」を立ち上げるなどの活動をしている人。

知っているようでいて本当には判っていなかった「お金」の事が見事に整理されて頭に入ってきます。以下メモ。

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日本は財政破綻の過程に入っている
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・日本国債はハイリスク(国の借金が大きすぎる)ローリターン(低金利)のため引き受ける外国人はおらず、国民の預貯金を原資に購入されている

・国の借金は900兆円+隠れ借金(特殊法人や公益法人の赤字)400兆円=1300兆円。これが、全国民の金融資産1500兆円に達したときに財政は破綻する。ちなみに(不可能なことだが)国有資産を全部売り払っても700兆円しかないため、返済に足りない

・破綻した場合に想定されるシナリオ

1)債務帳消し
借金の返済をやめる(債務不履行)。国債を買っている銀行や保険会社は倒産し、日本円の信頼は失墜するため円の価値は下がりハイパーインフレとなる。または預金封鎖をし、必要最小限の資金しか下ろせなくなる(昭和21年に政府はこれをやった)

2)大増税
預貯金や不動産に大幅課税。環境税導入、社会保険料引上げ。消費税30%

3)財政暴力発動
お金をじゃんじゃん刷る>お金の価値が下がる>ハイパーインフレ
例えばお金の価値が100分の1になれば、1000兆円の借金も実質10兆円程度になるため、政府は国有資産の売却などで借金返済>国民は、お金が100分の1の価値になって貯めた貯金はパーになる

これらのどれか、または全てが起こる。
海外に資産を逃避していた人以外は無一文同然となる。円が暴落し、外国から食料も石油も買えず、企業活動は急停止し、最悪の場合は飢餓が蔓延する

・破綻回避には政府紙幣の発行が良作
通貨の発行権は中央銀行と政府が持っている。現在は紙幣=日銀・硬貨=財務省が発行しているが、政府が紙幣を発行しても良いし、担保も不要。一気に借金返済は可能である。国債を発行するより数段優れた破綻回避策になる
(管理人注:それでインフレにならないのか?と思いますが、詳しくは書いてない)

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グローバリゼーションは強者にのみ有利
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・かつて植民地化の時代、各国の自給自足経済は破壊され支配国への原料供給と、支配国からの製品を買う市場にされた

・大戦後に独立したものの、既に工業化を成し遂げていた先進国には競合できず、多くの国々が一次産品の生産と輸出に従事した

・わずか30品目程度の一次産品を100カ国以上が作るため豊かになれず、先進国から援助という名の借金をさせられ経済的な鎖につながれている

・経済援助には構造改革の強制が伴い、教育・医療・福祉の切捨てや増税が行われ、ますます競争力が削がれてゆく

・これらを行うIMF、世界銀行、WTOなどは全て先進国が実権を握っており特に米国の意向が強く反映される

・日本のODAも、結局は日本企業が工事を受注しダムなどを作って電力を供給しアルミを作らせる。アルミ原材料の大半はわずか6社の多国籍企業が牛耳っているため、途上国は安い値段でアルミを売らねばならず、生活の向上に寄与していない

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国際金融資本による支配
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・国家は租税を徴収によって存続するため、税を生み出す企業を優遇しなくてはならない。また、企業は事業を行うために資本を必要とするため、通常は銀行から融資を受ける必要がある。ここに

(強) 銀行=金融資本 > 企業 > 国家 (弱)

という力関係が存在する

・最強国家アメリカさえ、金融資本に支配されている
米国の中央銀行(FRB)の理事は大統領に任命されるが、実務は連邦諮問評議会が行う。これは12の地区連邦準備銀行の代表者で構成されるが、最大の権力はNY連銀が握っている。NY連銀の株は、ロックフェラーやロスチャイルドといった金融財閥が全て保有しており、米国政府は持っていない

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現在の通貨制度が抱える問題
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・人間にとって必要な財やサービスが、お金を介在しないと入手できない

・通貨は、希少性を保つため常に足りない状態におかれており、争奪が発生する

・お金は、交換の手段&富の貯蔵手段、という二面性を持つため社会不安が増すと溜め込まれ、循環が悪くなる

・「利子」という仕組みがあるため、永遠に経済が成長することを強制する。しかし、地球は有限であり、いつか限界が来る。また、利子によって貧しい者から富める者へ自動的で一方向的な富の移転が行われるため、格差が拡大する

・資本は、自己増殖を目指して獲物を狩るように市場を移動する。生活を保護したり育成したりする機能は果たさず、利益が得られなくなると、荒廃だけを残して無責任に去る

・発行者が民意と関係のない権力を握る

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日本の問題点
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・一般会計80兆円に対し、官僚が無責任に使える特別会計200兆円弱。レントシーカー(利権に群がる魑魅魍魎)が国家の中枢に巣食っている

・市場による富の再生産がなされておらず、国債を発行して(国民の預貯金から)お金を吸い上げ、政官業の癒着構造を通じて上から流している(国民の富を消尽しているだけ)

・それでも、かつては上から流し込んだお金が末端まで行き渡った。今は終身雇用の崩壊や貸し渋りで、中小企業や非正規労働者にお金が届かない。社会の血液であるお金が届かない場所から順番に壊死している

・バブル後に流し込んだお金は銀行の不良債権処理に消え、銀行の赤字が国家の赤字に変わっただけ。国家の赤字は、やがて国民がツケを払うことになる

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地域通貨が救う
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著者は、現行通貨システムの問題点を補完する「地域通貨」の有効性を提唱し、通貨の発行を民主化しようと呼びかけます。

・「利子」とは正反対の「減価する仕組み」を入れる
・使わずに貯蔵すると価値が減る
・これにより循環が促進され経済が活性化される
・お金のコストは多く貯蔵する人(お金持ち)が払う
・地域通貨普及と経済民主化のためには、お金に関する共有知識を広く国民が得る必要がる
・国民の共有知識普及のために有効な方策はマスコミと教育であるが、残念ながら今はこれらに期待できない。少しでも多数の人が考え、知人友人にも広めてほしい

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たしかに、我々日本人にとって「お金」に関する正しい知識は盲点のように知られていません。最近、巷にあふれるのは「手っ取り早く株で儲ける」とか、「サイドビジネスの始め方」・・といったようなノウハウが多いようです。

本書は、貨幣発生の過程や、最大の国際金融財閥ロスチャイルド家の歴史まで、相当な分量の「正しいお金の知識」がコンパクトに要約されていてものすごくお得な一冊です。日本と世界と、あなた自身と、あなたの大切な人々を救うために、いま読むべし!





posted by 武道JAPAN at 17:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書記録(政治経済) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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