2009年01月06日

神々の軍隊vs国際金融資本の超暗闘 浜田政彦

一見、陰謀系「トンデモ本」に見えるがさにあらず。

2.26事件の経緯を、豊富な資料を基に、背後に蠢いた財閥、軍閥、政治屋の動きも含めて克明に描き出した重厚なノンフィクション。

ユニークなのは、2.26事件を、陣風連の乱〜大本教・出口ナオ〜三島由紀夫「盾の会」、と続く、国體(こくたい)すなわち「日本的神話」を守ろうとする一連の動きであると捉え、「貨幣神話」に対する抵抗であったと喝破している点。

国際的な金融財閥と、それに繋がる日本の大財閥&天皇vs新興財閥の暗闘が、軍部の「統制派」「皇道派」の対立の背後に居た事や、2.26事件以降、皇道派を一掃した軍が、財閥の利益に操られて大陸への侵略戦争に突き進んでいった事など、歴史の表側には出てこない経緯が明らかにされる。
また、この国の支配層たちの複雑に入り組んだ「閨閥」や、国際金融財閥との関わりも解説されている。

自分自身は「日本的なるもの」を愛しており、守りたいだけでなく、これを世界中が見習えば、この世はもっと暮らし易くなる、とすら信じているが、現実的には「神々の秩序」が支配した古きよき時代は過ぎ去り、「市場の秩序」が世界を席巻している。そして、これは今後も強化されてゆくであろう。

とはいえ、「市場(マネー)の秩序」は、民族、文化、宗教を超えて世界をひとつの共通言語(ルール)の下に統一しようとしており、「行き過ぎた市場原理主義の暴走」をコントロールする事ができるならば悪いことばかりではない。
重要なことは、共通言語を通じて何を発信するかであり、その時にこそ、各民族固有の文化が問われるのではないか?
近江商人の「三方良し(買い手良し、世間良し、売り手良し)」など、日本には武士道に並んで「商人道」という「日本的なるマネーの文化」があったのだから、これが見直されるべきではなかろうか?

以下メモ
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2.26事件に決起した青年将校たちは、1)天皇は現人神であり、2)明治維新とは天皇が立って上からの「ご一新」により世情の混乱を祓ったものである、と教育されたため、当時の混乱した国情(一部の財閥が巨利をむさぼる中、大多数の国民は困窮し、娘を身売りする農家もあとを絶たなかった)を憂えるあまり、天皇を取り巻くスモッグを祓えば全てがうまく行くに違いないと信じて行動した。
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日本を日本たらしめるもの(民族を民族たらしめるもの)は固有の神話であり、近代史とは、貨幣という唯一の神話が全ての神話を滅ぼし、戦争を含むマネーゲームを展開してきたものである。
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国際金融財閥や、それに繋がる日本の財閥の存在は陰謀論でも何でもなく現実であり、ブリジストンや出光など戦争によって大儲けした企業が多数あるのも事実。戦争をすると儲かる奴がいるのは現在でも全く同じである。




posted by 武道JAPAN at 15:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書記録(社会歴史) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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