この本は、世界の宗教オンチ(?)の日本人に、主要な宗教の「キモ」と歴史をわかり易く解説してくれます。(比較的わかり易く・・かな)
世界の成り立ちを知る為に宗教は外せないピースなので、絶対仕込んでおきたい知識です。読む価値は高いです。
内容が厚いので、ココで安易にまとめる事はやめておきますが、個人的に強く残った点をひとつだけ。
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現代日本の問題の多くはアノミー(無連帯)に由来する。
明治以来の日本社会の構造は、一神教としての天皇制(と村落共同体)だったが、これが敗戦と高度経済成長の過程で崩壊。
一部が宗教、一部が左翼運動、多くを終身雇用の企業が吸収したが、それらも民族共同体としての規範の代替には成り得ず、現在もそれに代わるものが確立できていない。
この無連帯と無規範に様々な問題の根がある、という指摘。
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そう捉えれば、家庭・学校・社会の諸問題や、企業・官僚の倫理観、規範意識の崩壊も説明できる気がする。
なにしろ我々は、同じ日本に住む同胞であり、運命共同体であり、仲間である、なんていう気持ちをほとんど持っていませんよね。サッカーワールドカップの時くらいですか?赤の他人とも肩を叩き合って喜び合うのは。ああいう瞬間だけ「連帯意識」が出現しますね。
ためになる一冊です。