すべての日本人と、特に子供を持つ親には読んでほしい。
著者は、新田次郎さんの奥さんであり、「国家の品格」で有名な藤原正彦さんのお母さん。本書がベストセラーになったので「作家」とされるが、文章はプロの物書きっぽくはなく、むしろ素朴。でもそれが良い。
何の庇護もないひとりの女性が、終戦後の満州から、生後1ヶ月の赤ちゃんを含む3人の子供を引き連れて、死に物狂いで故郷に帰り着く・・・
その心情が、状況が、どちらかというと洗練されていない文章でかえってバリバリ伝わってくる。
読んでて途中何度も泣きます。電車の中ででも泣いてしまう。
そして最後まで目が離せない。
子供を持つ母の強さと、極限状況で母を気づかう子の心と、利己的になってエゴをむき出す人間と、意外にも優しくしてくれる朝鮮の人たちと・・
読んだ後にはズッシリと心の遺産が残ります。
必読の書です。
読むべし!