2012年03月11日

被災地からの手紙 被災地への手紙 忘れない。 西條剛央+ふんばろう東日本支援プロジェクトおたより班 (著)

東日本大震災から1年が経過しました。

1年も経ったのに、被災地の復興は順調に進んでいるようには見えません。
多くの方が送った義捐金も、被災者の方々ひとりひとりにきちんと渡っているのか、定かに見えないもどかしさがあります。

しかし、この一年で新たに生まれたものもあります。
いまや日本最大級の被災地支援団体に成長した「ふんばろう東日本支援プロジェクト」も、そのひとつです。

「ふんばろう東日本支援プロジェクト」は、被災者の就職支援につながる「重機免許取得プロジェクト」や、被災者が必要としているものをAmazonの「ほしいものリスト」でマッチングするなどの秀逸なアイデアによって支援活動をしている団体です。

早稲田大学大学院講師の西條さんが、ボランティア経験ゼロの状態からまたたく間に作り上げたその発想と行動には舌を巻きます。私も、ここから被災地の商店で支援物資を購入し被災地へ届ける「復興市場」というショッピングサイトを知り、物資を送りました。

本書は、物を届けるだけでなく、心の支えとなる手紙を届ける「おたよりプロジェクト」に全国から寄せられたメッセージや、それがきっかけで始まった往復書簡、被災者からプロジェクトに送られた手紙などを収録した一冊です。

これを読むと、被災地の現実は我々が何となく考えていたような甘いものではないことが今さらながら判ります。
特に、仮設住宅に入居した人に与えられる支援が、借上げ住宅の入居者や半壊した自宅で頑張っている人には全く与えられない、情報すらない、などの状況や、公平に行きわたることを優先しすぎて、数の少ない物資は配らず倉庫に置いたままにしている・・などの実態を知ると、赤十字に義捐金を送ってあとは行政が何とかするだろうと高をくくっていてはならない!と気づかされます。


「忘れられることが一番怖い」


被災者が書いてきた手紙に散見される言葉だそうです。

被災地の復興はまだまだこれから。多くの経済的・物質的支援とともに「あなたたちのことを思っている」という気持ちを保ち続ける必要があるはずです。

「忘れない」「支援をし続ける」

そのことを、今日はもう一度決意しました。

読むべし。

「ふんばろう東日本支援プロジェクト」ウェブサイト






posted by 武道JAPAN at 17:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書記録(社会歴史) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月01日

略奪大国〜あなたの貯金が盗まれている! ジェームス・スキナー

友人が「読み終わったから」と渡してくれたので一読。
著者は米国出身の経営コンサルタント・起業家・「7つの習慣」の日本での発行人でもある。

ざーっと飛ばし読みしたので、あまり内容について責任のある発言はできませんが、経済の事が良くわからないまま大人になってしまった人が読めば、衝撃を受けるのではないでしょうか?でもキレイゴト抜きのこういう真実を最初から掴んでしまうのも良いかもしれません。

ただし著者なりのバイアスも掛かっています(小さな政府、競争原理肯定の新自由主義的思想のようです。それから当然ですが米国の国益を代弁している部分が多々あります)から、素直に何もかも鵜呑みにしてはいけません。
例えば、日本を破綻から救うには、アメリカと合併して「アメリポン」になるのが良いとか楽しいページもあります。TPPもそうですが、勢力の衰えてきたアメリカがこれまで貢がせてきた日本を更に抱き込もうというハナシでしょうか笑えます。

ただ、総じて日本の現状については正しいことを言っており(それもかなりズバスバと)、多くの提言には耳を傾ける価値があります。

銀行はデリバティブなどで金融市場をカジノ化してはならず産業分野に必要な資本を供給するという本来の業務に戻れ、という主張などはフランスの思想家ジャック・アタリなども言っていますが大賛成です。
公務員給与のGDP連動も大いに実現したいアイデアです。国民が豊かになれば公務員も給与を上げ、GDPが下がった(国家の運営がうまくいっていない)なら下げる・・民間なら当然の措置でしょう? 以下メモ。

・・・

●創造していない価値を消費することはできない

自分が創り出した価値に見合ったものを他と交換して消費するのが経済の正しい姿。何も生み出していなけれ消費できないはず。

●政府にはお金はない

政府自体は何も生み出していないので、本来は消費できない。なのに公務員に給与を支払い、道路や橋を作る。他人(あなた)のお金でやっている。

政府はあなたから税金を徴収して必要な施策をとる。集めた税金をうまく使えばさらに多くの税金が集まる(例えば港や空港を整備し、それで産業が活発になれば国民は豊かになり税収も増える)。しかし、その場限りの公共事業で必要もない道路を作ったり、人気取りのバラマキなど、投資効果がないことに浪費すれば国は貧しくなり税収は減る。(←イマココ)

●赤字国債の発行自体が間違い

政府は税収の範囲で必要な施策を行わなくてはならない。それができないと赤字国債を発行してお金を調達する。あなたが銀行に預けた預金で、知らないうちに国債が買われている。
そもそも政府は何も価値を創造していないのだから、国債につける利息も結局はすべて国民の負担になる。赤字国債は発行してはならない。

●日本は民主主義でも資本主義でもない

一票の格差を放置したままで、正しく民主主義が機能していない。農協や漁協が都市住民から、老人が若者から略奪している。数の大きい集団が自分たちの利益を代弁する政治家を使って弱い集団にたかっている。

国民が儲けたお金が新しい産業の資本とならずに、社会主義的な施策に浪費されている。あなたの預金で国債が買われ、それが社会保障や意味のない公共事業にバラまかれている。資本主義が機能していない。

●社会保障費の削減が必要

現行水準の社会保障費はまかなえない。40%程度は削減が必要。

●政府はそこをどいて自由にさせてくれ!(政府を小さくし、規制を緩和せよ)

資本主義は正しく運用されれば最高のシステム。これまで社会が飛躍的に発展した時代は、政府や官僚の力が弱く、産業が伸びた時(例:戦後日本の高度成長)。うまくいかないのは資本主義に問題があるからではなく、政府や中央銀行がまずい政策をする時。

●政府、中央銀行は次の3つを必須項目として実施すべき

・通貨の価値を一定に保つこと
・赤字国債の発行は禁止すること
・銀行を本業に戻すこと

・・・

戦争に負けて政府と軍部が力を失い、産業界がその締め付けから解き放たれたとき日本はめざましい発展を経験しました。

しかし、好調な経済と、官僚のお膳立てに乗っていれば何もかもうまくいく時代が続いて政治家は馬鹿になり、いまでは実質的にこの国を支配しているのは官僚のほうで、政治家がリーダーシップを発揮しようとしても官僚にコントロールされてしまう仕組みです。
役所の予算は年々と肥大化し、税収が足りないというのに今年の国家予算は昨年より大きくなってまた赤字国債を発行しています。高齢化による社会保障費の増大だけが原因ではありません。企業や家計ならありえない話ですが、自らの権益拡大を優先する官僚にとっては天下国家のことはどうでも良いのでしょう。

国民はこの状況をきちんと認識して正しい政策を選ぶ、選ばれた政治家がリーダーシップをとって実行する、官僚はそれをサポートする、という

「本来あるべきかたち」

を実現しなくてはなりません。

読むべし!



posted by 武道JAPAN at 12:33 | Comment(1) | TrackBack(0) | 読書記録(政治経済) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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