2009年08月30日

日本人はなぜ環境問題にだまされるのか 武田邦彦

「二酸化炭素の増加と地球温暖化」に真っ向から反論する書。
著者の武田さんは中部大学教授で、内閣府原子力委員会・文科省科学技術審議会で専門委員を務める東大卒の工学博士。

・CO2の増加と温暖化に因果関係はあるか?
・そもそも地球は温暖化しているのか?
・温暖化すると危険なのか?

について、様々なデータを提示しながら全て「No」という結論を出しています。

CO2は大気の0.04%しかなく、しかも重いので、よく図で説明されるように上空に昇って膜のように地球を覆う事はできない・・CO2犯人説を疑うのに充分な反証データがあるにも関わらず、それらが無視されている・・といった主張を展開しています。

本書の主張に対する反論も多くあり、この一冊で「やっぱり環境問題は嘘ばかり」と結論付けるのは危険ですが、環境キャンペーンに胡散臭いものを感じている人は一読してみても面白いでしょう。

以下、共感した点をメモ。

・・・

◆京都議定書で削減義務を負ったのは日本だけ

CO2削減は産業の発展を抑制する。そのため発展途上国が反発し、削減義務を負うのは先進国だけとなった。すると、削減の基準年は議定書締結の1997年ではなく、なぜか90年と定められた。

90年は日本にとっては石油ショック以降、世界に先駆け省エネ技術を磨ききった直後であり、削減余地がほとんど残されていなかったが、EUやロシア等では非効率なエネルギー消費が行われていた時代。これでEU、ロシアは何もしなくても義務を達成(あるいは排出枠を獲得)。アメリカは批准せず・カナダは離脱し、世界中で日本だけが削減義務を負う事になった。

日本は世界屈指の省エネ技術国であり、二酸化炭素排出では優等生。ドイツは日本の1.4倍、アメリカは3倍出している。インドも中国も何もしない。日本が孤軍奮闘しても滑稽なだけ。

ヨーロッパでは環境問題を話題にすると「あれは政治の問題」と言われる。
何を目的にヨーロッパで環境問題が盛んに議論され始めたのか、本当の理由を考えてみよ。

※今のところ日本の目標達成は絶望的で、他国から排出権を買う事になる(最大数兆円という試算もある)=日本がお金を巻き上げられているだけ

言われる事を鵜呑みにし自分の頭で考えず検証もしない態度は、科学的にも国際政治的にも落第。

◆悪質なNHKの嘘・捏造・印象操作報道

日本の放送法3条2項では「対立する意見がある場合は双方を平等に紹介しなくてはならない」と定められているが、環境問題に疑問を呈する意見をNHKが取り上げた事はない。

また、温暖化で南極の氷が融けている・・と、氷がどーっと海に落ちるシーンを見せるが、そもそも南極では中央部に雪が降って周縁部では常に氷が融けており、温暖化とは関係ない。実際には南極では少しづつ気温が下がっている。

絶滅が危惧されるというホッキョクグマは、実は増えても減ってもいない。

このように、事実に反する出来事を裏付けもとらずに報道している例が幾多もある。
第2次大戦前夜、マスコミは正確な報道を怠り、国を挙げて戦争に突入していった結果として310万人もの国民が死んだ。日本は、実は危険な情報統制に入っているのではないか?

・・・

環境問題には、肯定・否定両論あって科学的素養のない一般人が是非を正確に判断する事は難しいですが、与えられた情報を鵜呑みにし、よく考えずに多数が動く方向へ雪崩を打って進む、お人好しで騙されやすい日本人の弱点や、公共放送が本来の役割を捨てて異常な行動に走っている実情に言及している点では、本書は評価できると思います。

読むべし!






posted by 武道JAPAN at 01:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書記録(社会歴史) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月22日

新世紀のビッグブラザーへ 三橋貴明

今回の選挙で「なんとなく民主党」と考えている人は投票の前に読んでほしい。

本書はあくまで小説であるが、実際に提出されている法案や政策が実現した場合、充分に起こり得る恐怖の近未来を描き出している。

「人権擁護法案(人権侵害救済法案)」「外国人参政権」を推進し、「日本列島は日本人だけのものじゃない」と主張する民主党は、誰の利益のために何をしようとしているのか?

◆以下簡単な本の内容 ・・・

中国の尖閣諸島侵略に端を発した「極東戦争」で、北朝鮮の核ミサイルが駿河湾に落ちる。米国は国内政治の混乱から手が打てず、厭戦気分に落ち込んだ日本に「人権」「友愛」といった聞こえの良いスローガンを掲げ「民主人権党」なる政党が誕生する。

民主人権党は「東アジア共同体」を掲げ、「人権擁護法案」「外国人参政権」「無防備都市宣言」「沖縄一国二制度」といった法案を矢継ぎ早に可決してゆく。(管理人注:いずれも実際に民主党が主張しているものばかり)

やがて、かつて日本であった場所は「大アジア人権主義市民連邦」の第三地域に組み入れられてしまう。第一地域は中国、第二地域は朝鮮半島。そこでは、インターネットも報道も世界と隔絶され、情報は全て管理される。

「ゆとり文字化」により、漢字は廃止され、書籍は全て回収されて、ひらがなとカタカナのみに変更され、子供たちの知力は低下。日本の歴史を正しく伝える書物は「紛失」された。

「人権擁護委員」が跳梁跋扈し、「第二市民(朝鮮半島出身者)から商品を買わなかった」との理由で第三市民(旧日本人)の家屋に侵入して証拠物件(家財道具)を根こそぎ持ち去り、社会的地位を破壊する。

「環境対応」(増えすぎた人口に歯止めをかけ環境に優しく)という美名の下に、日本人男性に対して断種(去勢)が奨励される。

女系天皇が容認され、皇太女殿下(次期天皇)の夫は第二市民(朝鮮人)と決められた。

・・・

本書が重要なのは小説としての面白さとは別に、現在進行形の政治イシューがそのまま進行した場合どんな未来があり得るのか?を描き出している点だ。

現実には、このような漫画じみた世界が出現するとは考え難い。しかし民主党や社民党が主張する政策が成立すれば、こんな世界になる危険性が十分にある反面、日本人へのメリットは見当たらない。ならば何故?彼らは「人権擁護法案(人権侵害救済法案)」「外国人参政権」を主張するのか?誰の利益のために何をしようとしているのか!?

目先の損得を見て、10年後20年後に大損してはなりません。

読むべし!

■この本に関連した他のサイト

◆著者のサイト 新世紀のビッグブラザーへ blog
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/

◆陳さんのWorld view
http://blog.livedoor.jp/fgejtocfk4fk5j23dk5/archives/989425.html

◆国を守れ!
http://kokubou-ken.jugem.jp/?eid=23

◆国民に知らせ隊
http://shirasetai.blog81.fc2.com/blog-entry-1097.html

◆情報大工のひとりごと
http://www.laplace-lab.org/diary/archives/000175.html

◆時事摘録
http://youloan-iza.iza.ne.jp/blog/




posted by 武道JAPAN at 13:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書記録(小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月20日

自然体のつくり方―レスポンスする身体へ 斎藤 孝

著者は、「声に出して読みたい日本語」で「音読」の効用を説いた斎藤孝さん(かつて音読は、日本の初等教育で広く実践され、高い効果を上げていました)。本書では日本独自の「腰とハラの文化」復興を提唱し、「四股立ち」「(歌舞伎の)六方」「スワイショウ」など、「自然体」を取り戻すための実践的な身体技法や訓練法を紹介しています。

我々は、近代以降、欧米風の文化と生活は輸入しましたが、身体の使い方はマスターしていません。ところが、伝統的に持っていた和の身体技法も失いつつあります。和洋の文化の間でどっちつかずになってしまった「不自然な体」を自然体に戻す為には、意識的な訓練が必要です。

---
・自然体とは「リラックスしながらも覚醒しているような身心のあり方。身体の重心においても、心や精神の方向性においても、寄りかからないゆとりをもった構え」

・全身脱力した状態ではない。「上虚下実」上半身は柔らかく、下半身は粘り強く。

・自分の中心感覚を腰腹=臍下丹田(せいかたんでん)に置く。

・自分の中心がしっかりしていれば、他者との距離感覚(コミュニケーション=レスポンスする身体)が出来上がる。

・笑いかければ自然に笑い返す、人の話にうなづく・・といった自然なレスポンスができない「冷えた身体」が増え、コミュニケーション能力の低下が起こっている。

・自然体は自然にはできない。修練の賜物である。かつては、武道や芸道の達人が自然体を体現しており、比較的身近に見本があった。子供を背負う、天秤棒を担ぐ、畳に長時間座る、といった日常生活が自然体を作る訓練になっていた。

・日常生活や遊びの場で鍛えられた重要な身体感覚が失われつつある。こうした感覚は文化であり、継承する意思を持たなければ衰退し失われてしまう。
---

四股立ちをするイチロー、昭和初期の漁村で船を曳く男たち、赤ちゃんをおんぶした子供・・「自然体」の見本が写真で紹介されていて抜群の説得力があります。

自分自身、武道の修業を通して「自然体」「不動体」が身に付き、ただ「自然に立つ」事ができるのに何年も掛かりました。その間に、子供の頃から持っていた身体の癖を随分修正した実感があります。自然体は自然にはできません。ただし、いったん身に付けば無意識に活用できます。

いつだったか、取引先のガイジンと交差点で信号待ちをしながら雑談をしていて、相手が笑って私の肩をどんと叩いたのですが、反対に向こうがよろけてしまいました。相手は、自分よりひとまわり余分に重量があり、こちらは普通に立っていただけなのですが。

しっかりと決まった腰・据わっているハラ・ぶれない中心軸・ゆったりと大きな息・・そんな、自分の中心と軸を持った「自然体」があってこそ、他者と柔軟なコミュニケーションも可能になる。武道修行者には必須!そうでない人も、是非!読むべし、読むべし!



posted by 武道JAPAN at 07:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書記録(社会歴史) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月13日

比較文化論の試み 山本七平

日本人とヨーロッパ人、アラブ人、ユダヤ人との比較を通じて、日本民族と他民族との「違い」を浮き彫りにする。1976年発行の本。講演を文庫化したもので、ごく平易な語り口で書かれた薄い本ながら内容が充実しています。

・・・

●対立概念と二元論
西洋では対立概念で、ものごとを異なる視点から見て正確に把握しようとする。日本では単純に二元論で割り切ろうとする。

対立概念=ひとつのものの中に二面があると考え、両面から対象を捉えようとする(例:一人の人間に善と悪の心がある)

二元論=○か×かに二分する(例:善人か悪人か!)

●民族それぞれに感じ方が違う
イスラエルで遺跡の発掘をしていて人骨が出てくる。一日中、骨を処理していると日本人は変になってくるがユダヤ人は何ともない。日本人は骨という「物」に聖性や魂を感じるが、ユダヤ人には只の物体。反対に、ユダヤ人は聖地に行くと、その特定の「場所」に何かを感じるが日本人には判らない。
これほどに、言葉にできないが自分たちが確かに持っている「規範」の違いがある。

●日本人は深く考えない
異文化・異民族とぶつかり合えば、自分達の規範意識や考えを明確に主張しないと、相手に理解してもらえない。だから「なぜそう感じ考えるか?」を、まず自分達が徹底的に考える。そのうえで「相手に判る言葉」にして伝えようとする。ここから弁論術も発達する。

日本人は異民族との接触が少なく「なぜ」「どうして」という根源的な問いをあまり深めていない。単一民族同士で暮らし「気は心」「以心伝心」で通じてしまった。

●外国(人)と交渉できない
しかし、世界では、自分達が何をなぜ、どのように考えるかを相手が理解できるように説明しなくては通じない。それなのに、自分達の考えを、自分達でさえ「なんとなく」しか理解していないのなら、他者にはとても説明できない。

●日本文化の確立が必要
日本人は、自己を律している文化的規範が人類共通の公理だと考えないが、他国は、自己の文明を全世界を律しうる普遍のものと考え攻めてくる。きちんと応対し、防衛しなくては飲み込まれてしまう。まず自分達の「日本文化」を、自分達が明確にしなくては世界に互して立てない。

経済的破産は民族の歴史から見れば一時のことだが、一国あるいは一文明の文化的破産は遥かに悲惨であり再生不可能である。

・・・

武道を修業していると、「立つ」「歩く」といった基本的な「身体の用い方」が、既に日本と外国では違う事がわかります。もっとも、「日本的な身体の使い方」を失っている人がほとんどで、自分自身も武道を通じて取り戻したのですが。。

時代は、我々自身の文化を再発見する方向に向かっているようですが、もう一歩進んで「我々の文化を体現する」段階まで行きたいものです。読むべし!

◆この本について、上手にまとめている他のブログ
http://fldtest.blog53.fc2.com/blog-entry-67.html
http://hanatatibana.cocolog-nifty.com/hibizakkan/2006/04/post_3b09.html
http://sabomemo-2.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post-3eb6.html



タグ:山本七平
posted by 武道JAPAN at 11:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書記録(社会歴史) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月09日

NHKの正体―情報統制で国民に銃を向ける、報道テロリズム 西村幸祐 (編集)

NHKスペシャル「JAPANデビュー」が問題となっている。

日本の台湾統治を取り上げた第一回「アジアの”一等国”」放送直後から、デタラメな偏向(というより事実をねじ曲げた捏造)ぶりに反発する議員や有識者が、日本の各都市および台湾で抗議デモを繰り返し、8400人の有志がNHKを集団提訴するに至ってようやくマスコミもこの件を報道し始めた。

偏向・捏造報道では朝日新聞があまりに有名だが、なぜ国営放送たるNHKが!?本書では、NHKの偏向・捏造の実態とその背景を詳しく報告している。

私も、たまたま「アジアの”一等国”」を見ていたが、「台湾人は漢民族」とか「日台戦争」とか、「??」なナレーションが次々出て(実際には、外省人=戦後に国民党とともに中国から渡ってきた漢民族は全人口の1割程度だし、日本と台湾が「戦争」をした事はない)、締めくくりは「親日とも言われる台湾ですが・・日本統治の傷跡が・・」と終わっている。これでは、世界一の親日で知られる台湾が、実は反日であるかのような印象を受ける。

特に悪質だったのは、当時を知る「日本語世代」台湾人へのインタビューから、「日本時代の良かったこと」を全て割愛し「悪かったこと」だけを編集して使っている点だ(後の調査で判明)。
中には、あまりに「悪かったこと」ばかりを聞かれるので「義務教育の普及やインフラ整備など、良いこともやってくれた!」と伝えたにも関わらずカットされた人もいる。

あきらかに特定の意図を持って編集し、視聴者を誘導している。NHKでは昭和天皇の生涯を扱った番組も企画されているらしいが、こんな調子では強い危険を感じる。以下メモ。

・・・

・否定的な印象を与えるサブリミナル編集が行われている。特に「JAPANデビュー」では、地上波ではタブーとされているカラーの遺体映像を挿入するなど、規範を越えた編集が見られる。

・日本と台湾の分裂は中国に有利に働く。「台湾人は漢民族であり、日本の侵略に抵抗して戦った」という論は中国共産党の主張と符合する。特定国の意見が番組に反映されているのではないか。

・番組中で「日本は我々を馬鹿にしている」と発言した人を訪ねて真意を聞くと「戦後日本は台湾をあっさり手放したから、我々は孤児になったではないか」と「戦後日本」を嘆いているのであって、戦前の日本統治を憎んでいるのではなかった。

・他のシリーズでも、特攻隊員の遺書から特定部分を省いて朗読するなど、印象操作や「ヤラセ」が多発している。

・複数の視聴者参加番組に、左翼系のプロ市民(一般視聴者を装った活動家)を繰り返し出演させている。

・NHKには関連団体が26もあり、天下りの温床になっている。

・制作費の水増しや受信料の着服など、NHK職員による横領や背任が数限りなくある。しかし、4400万円を着服した支局長が停職6ヶ月だけで復帰するなど、一般企業では考えられない大甘な処分。

・・・

NHKには優良で良識的な番組も多数ある。しかし、一部に危険な意図を持った番組が制作されているようだ。この場合NHKは報道機関でなく、情報操作機関となっている現実がある。
この傾向はNHKに限定された事ではないため、我々は防衛力としてのメディアリテラシー(情報の真贋を見分ける能力)を磨く必要があるでしょう。

また我々は普段、「戦争」というものは60年前に終わった・・と思って暮らしていますが、国益をかけた思想戦・情報戦は今も続き、むしろエスカレートしています。武器を使わない戦争に敗北しないためにも、国営放送が他国の意思に支配されないよう監視すべきでしょう。

◆NHKを正す会 署名
http://www.shomei.tv/project-1030.html

読むべし!


posted by 武道JAPAN at 15:34 | Comment(1) | TrackBack(1) | 読書記録(社会歴史) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。