2009年11月15日

50イングリッシュ サム・パク

この「50の基本文」を死ぬ気で暗記せよ!

というサブタイトルが面白くて買った英語学習の本。
最近ずっと空き時間をこの本に費やしているので、あまり他の本を読めていない。

本書は、韓国で話題を呼んだベストセラー・・との事で、「若い人だけでなく、中高年、主婦が続々と話せるようになり、この勉強法が注目を浴びた」と紹介されている。

TOEIC630点の自分の課題は、英会話において「考え・考え・喋る」状態を「口から自然に英語が出てくる」状態に持って行きたい・・というもので、そのためには今までのように頭で覚える学習には限界があって、やはり英語圏で生活しないと難しいのかな〜・・・と思っていたところで出会った。

英会話のほとんどは、この本にある「50の基本文」のバリエーションでカバーできる・・というのが著者の主張。この学習法を実践すると3〜6ヶ月以内に2時間程度の講義が英語でできるようになるという。

「英語は習慣である」「習慣化するには反復練習」というわけで、やり方は・・

1)まず50の基本文を覚える。基本文の英訳和訳が相互にできるよう暗記する。文自体は特別に難しくはないので、少し時間をとれば大丈夫。

2)次に、著者が編み出した独自の記憶法に沿って基本文を0番から49番まで順番通り暗誦できるようにする。50文を順番通り覚えるのは難しそうだが、この記憶法はとても良くできており、簡単に覚えられた。

3)そして、覚えた文章を暇があるときにブツブツと暗誦する。駅で電車を待っている時や、歩いている時、トイレの中など、どこでも良い。(著者によれば平均的な人間の生活には毎日3時間程度の「細切れの空き時間」があるという。)

これを続けると、だんだん「口が慣れて」英語が出てくるようになるという。そして

4)基本文からバリエーションを作って応用する。
基本文 How many apples did you eat today ?
応用文 How many ****** did you eat yesterday ?

・・・といった具合。

まだ現在は50文を暗記して3)の「ヒマを見つけては暗誦する」を始めたところなので効果の程を保証できる段階ではないが、確かに手ごたえを感じる。
武道でも、最初に型を覚える時には何がなんだか理解できていなくても、反復練習を繰り返すうちに「身に入って」使えるものになるし、赤ん坊が音真似をしながら会話を覚えてゆく過程に近い・・と考えると納得できます。

コツコツとした英語学習に行き詰まりを感じている人や、「とにかく話せるようになりたい」という実用重視の人にオススメです。

読むべし!

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2009年11月01日

ロスチャイルド、通貨強奪の歴史とそのシナリオ 影の支配者たちがアジアを狙う 宋 鴻兵

著者の宋鴻兵(ソンホンビン)氏は中国四川に生まれワシントンの大学で情報工学を学び、2002年からはファニーメイとフレディマックで上級顧問を務めたエコノミスト。現在は環球財経研究所院長。

本書は2007年当時からリーマンショックを予見し、初の著作ながら中国で発売されるや150万部の大ヒットとなった話題の書。韓国・台湾でも翻訳本が売れているという。原題は「Currency Wars(通貨戦争)」。

ロスチャイルド財閥を筆頭とした国際銀行家たちの「金融による世界支配」の現実が、じっくりと描かれていて非常に勉強になる。世界のしくみの背景と、これから起こる出来事の「本当の意味」を理解できる。
・・・

●各国の「中央銀行」は、政府機関ではなく私有銀行である
・米国FRB、イングランド銀行、ドイツ連邦銀行、スイス国立銀行、イタリア銀行、日本銀行などは政府機関ではなく、本当の所有者は民間の銀行家であり政府の干渉を拒絶している
・フランス銀行は政府の傀儡とみなされ、この「エリートクラブ」からは排除されている
・中央銀行が民間所有でないのは北朝鮮、リビア、キューバ、イランなど数カ国しかない
・米国では政府は通貨を発行できず、債券を発行しFRBに通貨を発行して貰う
・日銀は、日銀法で資本金の55%を政府が保有するが、政府に議決権はない

●中央銀行の目的は通貨の発行権を独占する事
・「通貨」は商品のひとつであるが、全ての人が必要とする商品である
・商品の独占権を持つものは巨万の冨を得る
・通貨発行権を得れば、納税者から永遠に利子収入を得ることが出来る
・アメリカの歴史は、通貨の発行権をめぐる大統領と銀行家達の暗闘の歴史であり、その過程で7人の大統領が暗殺され、数知れぬ議員が命を落としている

●戦争もインフレも銀行家達がおこす
・戦争時には、平時では考えられぬ速度と規模で物資の消耗が行われる〜米英戦争も第一次、第二次世界大戦も国際銀行家達の利益のために引き起こされた
・金融政策をコントロールし、インフレを作り出すことによって、人々の財産を通常の何分の一かの価格で収奪する事が出来る。(これは「羊毛狩り」と呼ばれる)
・通貨の流通量を増やす→お金の価値が下がり、モノの値段が上がる(インフレ)→パン一個が10万円になる→国民の貯金はあっという間になくなる→通貨の供給量を突然減らす→物価は暴落し、銀行家達はタダ同然の値段で土地や不動産を買い占める

・冷戦後、米国の専門家達によって「恒久平和が訪れた後の世界」が研究された結果、社会秩序を保ち国民が政府の指導を受け入れる為には何らかの外敵に対する「戦争システム」が必要との結論が出た。この戦争の最初の候補は「貧困」、次は「宇宙人の侵略」で、最終的に「環境破壊」が採用された

●通貨の無制限な発行を可能にする為、金本位制度を廃止した
・通貨が金と連動していた時代の各国インフレ率は100年間でほぼ0%であった
・しかし、通貨が金との兌換に縛られておれば無制限な発行はできない
・銀行家達はこの鎖を断ち切るため御用学者を動員した
・ケインズもグリーンスパンも、かつては金本位制の擁護者であったが転身した
・1971年に通貨が金の束縛を脱し(ニクソンショック=ドルと金との兌換停止)、銀行家達は思うさま信用を拡大できる条件を手に入れた
・金本位制の復活を試みたレーガンは「精神異常者」に銃撃された
・政府の債権を基に発行される通貨は基本的に「債務」であり、「債務通貨」が増えれば増えるほど銀行家達の懐に入る利子収入は増える
・政府債務を肩代わりさせられるのは納税者である国民である

●インフレの発生源「部分準備金精度」
・預金者は、銀行に預けたお金をすぐに全額引き出すことはない
・統計的には預かったお金の10倍を貸し付けても問題ない=貸し出すお金の10分の1を実際に保有しておればよい(部分準備金制度)
・つまり銀行は、100万円の預金から900万円の貸付を作る事ができ、無から莫大な財産を得る
・これは通貨を発行しているのと同じ事である
・人民元は中国政府が発行しているが、中国に進出した外国銀行が「部分準備金制度」を利用して貸出しを始めれば、政府からは見えない通貨が流通し始める

●銀行家達の最終目標は世界政府と統一通貨
・彼らの目的は、少数のエリートで世界中の政府を支配し、統一通貨発行システムを牛耳り全ての人間から「世界税」を徴収する事
・この「宣戦布告のない戦争」は既に開始されている
・どんな大企業も、資金が引き上げれば立ち行かない。金融(資本の流れ)は経済発展の戦略空軍であり、これの援護なしでは悲惨な白兵戦や同士討ちの危険がある

・・・
国際銀行家たちのカルテルが、いかにして各国に中央銀行の設立を働き掛け、やがて政府から通貨の発行権を奪ったか・・・そして金本位制を廃止し実物資産の裏付けなく自由にいくらでも通貨を発行できる力を手に入れたか・・「プリンス」と呼ばれるエリート国際銀行家達の集まりである国際決済銀行(BIS)やビルダーバーグ会議に、英、米、独、伊、そして日本の中央銀行からメンバーが集まり、いかに国家の規制を離れた活動をしているのか・・・アメリカ政府と銀行家による通貨発行権争奪の歴史を通して、世界単一通貨へと向かう国際銀行家達のもくろみをあぶりだす快作!

著者が中国人であるためか、このような国際銀行家達の知謀を「許しがたい悪」というより「驚嘆すべき意思と知恵」と見ているような点が面白い。そして、「中国が羊毛狩りに逢うかどうかは中国しだいである」と警告する。

出典の信憑性が定かでない部分もあるので何から何まで鵜呑みにはできないものの、全体的には相当な説得力があり、辻褄が合っていて非常に面白く、2度、3度と読み返してしまった。必読の書と評して良いと思う。

読むべし読むべし読むべし!

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遍照金剛
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2009年10月12日

ジパング再来 大恐慌に一人勝ちする日本 三橋貴明

著者の三橋さんは、、公開データを詳細に分析する手法で韓国経済の危機を予見し、インターネット掲示板「2ちゃんねる」において注目を集め「本当はヤバイ!韓国経済」を著してデビューしたネットエコノミスト。

本書でも、政府や金融機関が公表している一次資料に基づいて冷静に日本のバランスシートを分析し、根拠無き悲観論を叫ぶマスコミや似非エコノミストを「日本破綻原理主義者」と呼んで痛快に撃破しています。目からウロコです。以下メモ。

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・「日本の債務は国民一人当たり○○円!」は嘘。日本国債を買っているのは国内金融機関であり、その原資は国民の預貯金。つまり国民は「債権者」(金を貸している立場)である。

・政府の債務増大は問題ではない。全ての先進国で増大している。企業でも、事業規模が大きくなれば借入れ(運転資金)が増える。日本の問題は、借入れが増えたのに事業規模(GDP)が伸びない‐つまり経済の効率が悪い事。

・そもそも政府が借金を返す必要はない。貸している金融機関も返して欲しいと思っていない。期限が来たら繰り延べすれば良い。紙幣を発行しても良い。

・国家がデフォルトするのは海外からの借金が返せないから。日本は世界最大の対外債権国であり、円建てで発行した国債は、国内の潤沢な預貯金によって国内で消化されている。国家破産はありえない。

(もっとも、国債の発行額が増加すれば予算に占める利払い費の割合が増加するし、国債の引受け原資である国民の預貯金や保険が減っている状況で、いつまでも国債を発行できるはずはないと思いますが、この点は不明です)

・日本の成長は世界で2番目の巨大な内需がポイント。GDPの6割は個人消費。

◆2006年度 日本のGDP内訳
民間最終消費支出 56.9%
政府最終消費支出 17.6%
総固定資本形成 23.6%
在庫品増加 0.5%
純輸出 1.4%

(輸出対GDP比(GDPに対する輸出の割合)を見ても、ドイツや中国、韓国が40%近くであるのに対し、日本は20%に満たない。)

・「公共事業は悪」か?
景気後退時は民間に支出を求めるのは(民主主義国である限り)不可能なので、政府が支出を増やすのは当然。無用なハコモノは論外としても公共事業=悪という考えは短絡。

・「公務員は削減すべし」か?
公務員の給与はGDPの「政府最終消費支出」に含まれる。公務員数または公務員給与が経れば、「政府支出」が減ることになってGDPを押し下げるが、それで良いか?

・不況期は低金利であるため、長期の巨額投資が必要になるデフレビジネス(鉄道や空港、港湾の整備など)が盛んになる。この分野に圧倒的強みを持つ日本に有利。

・2009年4月のIMF発表によると、日米欧の不良債権規模は次の通り
アメリカ 2.7兆ドル
欧州 1.19兆ドル
日本 0.15兆ドル(日本の被害はぬきんでて軽微)

・オバマ政権の景気対策の8割は教育、医療、交通インフラの整備等。グリーンニューディールには実は1%強程度。

・日本の強みは、東京というメガロポリス−治安が保たれ、交通網が完備されている事で周縁に裾野が広がり世界最大規模の人口を有する都市となっている。
政府の経済対策(09年度補正予算)で、リニア新幹線の実験が前倒しされた。東京−中京圏を40分で結ぶリニア線が開通すれば東京−名古屋−大阪を結んで人口5000万を越す世界最大のメガロポリスが完成する。

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民族感情的な「日本最強」論ではなく、データのドライな分析から導いた結論として書かれているため説得力があります。

毒入り金融商品による被害が最も軽微で/国内にまばゆいばかりの純粋なマネー備蓄があり/デフレビジネスに強い技術や企業が存在する日本には、繁栄するための人、モノ、金、技術の全てが揃っている・・と、心強いばかりの評価です。

「足りないのは、国民の情報リテラシーだけで、これは日本人自らが勉強するしかない」と結論付けており、大いに共感します。読むべし!

■本書について書いている他のブログ
廣宮孝信の反「国家破産」論 ブログ
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2009年10月04日

これが日本人だ! 王志強(著) 小林さゆり(翻訳)

本書は、訳者の小林さんが北京の書店で偶然発見し、内容に魅かれて出版する運びとなったもので、著者の王志強さんは滞日経験の長いビジネスマン。
つまり知日派ではあるが、学者や研究者ではなく、あくまで「普通の中国人」から見た日本人の姿が描かれています。学問的な「日本人論」というより、サブタイトルにあるとおり「中国人によって中国人のために書かれた日本及び日本人の解説書」といった内容です。

とはいえ、日本の風俗習慣や歴史をよく理解しており、日本人を殊更に低くも高くも見ておりません。その分、否定しがたい日本人の生態が赤裸々に描き出されていて、なかにはヒヤ〜そうだなあと思う記述もあれば、そうかなあ??といった部分もあります。オビに「読んで首肯するか、立腹するか!」とありますが、まさにその通り。・集団至上主義・島国日本・日本人の精神世界・など日本人に対する大方の中国人の率直な見方が読めて楽しいです。 以下メモ

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・日本は大陸から適度に海で隔てられており、この適度な距離は軍を送って侵略するには遠く、文明が伝播するのは可能であった。この恵まれた条件が、日本に必要な文明をもたらし異民族の侵略からは守った(似たような条件の英国は、大陸と自国を隔てるドーバー海峡が対馬海峡の3分の1しかない。キューバやマダガスカルには最も近い大陸に文明がなかった)

・古来より中国から文化や社会制度を学んだが、欧米列強が現れると西洋から学んだ

・日本は海と山の狭い範囲に人々が住み、地震が多く毎年台風に襲われ自然災害も多いため助け合わねば生きてこられなかった。そのため集団から離脱する事を何よりも恐れる習性が身についた。これが日本人の団結心を生み、また集団の意見が優先されて自分の意見を持たない個人を作っている

・集団に対する依存心が強いが、まとまりも良く集団で動くと強大な力を発揮する。明治維新も戦後の復興も他国には真似のできないことであった

・繊細なものや静けさの中に美を見出す
・他国から日本人がどう思われるかをとても気にする
・情緒的かつ非理性的、無原則、ムードで動く、これは天皇制を支える精神土壌でもある
・物事がうまく行けば傲慢になり「日本民族の優秀さ」を誇るが、うまく行かない時はすぐに自信を失う
・第2次大戦では、精神論に頼った戦略性のない無謀な戦いを展開した
・武士道は形を変えて今も日本人の中に生きている

・日本人は人類史上に貢献するような新しい発明をしていない。発明されたものを応用して改良し、職人的なこだわりで優れた製品にするのは上手い

・外来の文化を柔軟に受け入れて混乱しないのはスゴイ。自分たちに役立ちそうなところだけ濾過して吸収し、うまく日本風にアレンジしてしまうイイトコドリ。ただし、外来文化の根底を「なぜ?」と深く理解せず「どうのように?」と実用的な事にしか興味を持たない
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中国人の一般的な感情として、日本は様々なものを中国から学んで漢字文化圏の辺縁にいたくせに、ここ100年あまり新しく出てきた西洋文明をすばやく学び取ると、軍備を増強して豹変し、恩知らずにも大陸を侵略して残虐行為を働いた「信頼できない国」という見方が根底にあるようです。

また、明治維新後と、戦後の急激な経済的勃興を見て「突然猛烈に変化して突き進む」が、「コントロールを失って悲劇を引き起こす」といった「不安定さ」を感じている、という事も判ります。

今後、世界はアメリカ圏、欧州圏、アジア圏という3地域を中心に動くと思われます。我々もアジア諸国、とりわけ中国とは「戦略的互恵関係」をより深めて行く事になるでしょう。そのうえで、双方の国民が他方をどのように見ているのか?を知りあう事は重要と思われます。とても参考になりますよ。

読むべし!

翻訳者:小林さゆりさんのブログ「北京メディアウオッチ」
中国で映像撮影...Emmy Broad"Band"Cast 本日の北京−映像ブログ(Blog


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2009年09月29日

金融危機後の世界 ジャック・アタリ

2006年に出版された「21世紀の歴史」(日本語訳は2008年)で、サブプライムショックを予見したジャック・アタリが緊急出版。
現下の金融危機発生の原因を分析し、危機を繰り返さないための具体的な処方箋を示します。

「21世紀の歴史」もきわめて刺激的な内容でしたが(管理人の2008年ベスト1です)、本書も素晴らしい切れ味です。

・・・

危機発生の経過は

1)主に米国で、中産階級を借金漬けにすることで経済成長を維持する仕組みが作られた
2)借金(債務)が増えるに従いリスクも増大した
3)増大したリスクを分散するため複雑な金融商品が編み出され、世界中にばら撒かれた
4)「毒入り」商品に人々が気づき始め、パニックが発生した
5)民間金融機関に公的資金が注入され、債務は政府(ひいては納税者)に移し変えられた

この結果、西側先進国が負った債務が返済されるまで2〜5年、長ければ10年は景気低迷が続き、最悪の場合には世界的な恐慌や紛争に発展、民主主義の危機にさえ直面する。

最悪の危機を避ける為に政治的決断によってインフレを引き起こし、インフレが年率5%を超えた段階で物価安定策に取り組む・・などという危険な賭けさえ必要となるかもしれない。

最大の問題は、グローバルな規制や監視の枠組みがないのに、金融市場だけがグローバル化してしまったこと。したがって、一時的に株価が回復し投資が戻っても、抜本的な対策がなされない限り危機は繰り返す。G20等の枠組みで金融資本主義の暴走を抑える仕組みづくりを構築すべし。

具体的には、インサイダー(金融・経済に関する情報を独占できる立場にいる人々)の活動を法の枠組みに押さえ込み、全ての人に同時かつ公平に(経済・金融に関する)情報が行き渡るようにすることや、銀行家という仕事を謙虚で退屈なものに戻すこと、など。

また、G20と「国連安全保障理事会」を合併し、「世界ガバナンス理事会」を発足、IMFや世界銀行を、この理事会の権限の下に置いて理事会メンバーや投票権を改革するなどの大胆な「世界統治機構」確立が必要。

・・・

グローバル金融を野放しにすれば世界的な危機が起こる・今回の危機を市場からの「最終警告」と考えて必要な対策を講ずること、といった実際面だけでなく、他者の幸せは自らの利益でもあると考える利他主義や、労働だけが正統に富を得る方法である世界を目指す事など、心を打つ提言で締めくくられた本書は、単に経済の事象を扱ったものではなく、人類の未来を見据えた視点を持っています。

読むべしッ!!

本書について書いている他のブログ
【書評】 ジャック・アタリ、『金融危機後の世界』
途中書評:ジャック・アタリ著「金融危機後の世界」:


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